サステナビリティ

トップメッセージ

持続可能な成長に向けて

中期経営計画2年目の2022年度を振りかえって

2022年度は新型コロナウイルス感染症の流行も落ち着きをみせはじめ、感染対策を実施した上で事業活動をほぼ通常に戻すことができた1年でした。また、「新たな成長と企業体質変革の同時実現」を目指した2021~2025年度を対象とする第8次中期経営計画(以下、「8次中計」) の2年目でもありました。
当該8次中計では、① 5G やDX を支える事業の展開、② SDGs に資する製品の展開、③ 構造改革・体質改善による経営効率UP、を柱として企業価値向上に取り組んで来ました。2021~2022年度には、構造改革の効果が想定以上に発現したことに加え、市場環境の改善や大幅な円安による効果もあり、特に収益面で当初計画を大きく上回る進捗状況となっています。
これらの業績を踏まえ、8次中計の見直しを行い、成長分野への経営資源の投入による事業ポートフォリオの転換と収益基盤の更なる強化を進めてまいります。

新たなTOMOEGAWAへ

2024年度、TOMOEGAWAは創業110周年を迎えます。「紙」から始まったTOMOEGAWAは、その時々に求められる製品・技術を届けてきました。現在は「紙」の技術も活かしつつ5G やDX を支える事業の展開を進めており、化学関連事業の売上高が連結売上高の6割以上となっております。
このような事業ポートフォリオの転換を進めている実態を明確にし、グループとしての一体感を創出し持続的な企業成長につなげていくため、 2024年1月1日に「株式会社巴川製紙所」から「株式会社巴川コーポレーション」に社名を変更することにいたしました。

ミッション・ビジョン・バリューの制定

8次中計を見直すにあたって、経営戦略と一体化した形で改めて当社グループの目指す姿を思い描き、従来から掲げてきた創業精神は当社の価値観を表すものとして維持しつつ、経営理念をミッション、ビジョン、バリューとして再定義しました。同時にこれを体現するコーポレートスローガンとして「その手があったか。TOMOEGAWA」を制定しました。
今後は、当社が目指す所やありたい姿、提供価値、スタイルなどを社内外に伝えつつ、ミッションである「これまでも、これからも新製品・新技術開発に挑戦し、人や社会に新しい喜びを提案しつづける」の実現を目指してまいります。

8次中計の見直し

見直し計画(方針・戦略)のポイントは次の通りです。
まず、安定的な収益基盤をより強固なものにしてまいります。また、これまで取り組んできた構造改革やDXへの取り組み、生産性向上活動による収益改善を引続き推進してまいります。
その上で、これらの取り組みの成果を、成長分野での新製品の立ち上げ・量産化に投入し、より中長期的な成長を実現させると共に、必要な設備投資を進めてまいります。

近年、その重要性が増しているサステナビリティに関する課題への取り組みとしては、以下のようにサステナビリティ基本方針を策定しました。開発型企業である当社独自のマテリアリティ特定の結果を、各種戦略に落とし込んでまいります。

【サステナビリティ基本方針】

私たちは、「誠実」「社会貢献」「開拓者精神」からなる創業精神のもと、これまでもこれからも「新製品・新技術の立ち上げによるお客様満足を通じた利益の最大化」を通じて持続可能な「より良い世界(社会・環境・ガバナンス)」の実現に向けて貢献してまいります。

  • 社会的課題への取り組み
  • 環境問題への取り組み
  • 人権の尊重と人財価値最大化への取り組み
新製品・新技術の価値創造へ

当社は、5G/DX の導入・進展に伴う高電圧・大電流・高周波数に対応するため、「熱・電気・電磁波」をコントロールするさまざまなソリューションを「iCas」ブランドとして提供しております。中でも、熱・電気のコントロール性能を向上させた製品は、SDGs が求めるエネルギー使用量削減への貢献も可能となります。現在、効率よく温められるフレキシブルヒーターや高い冷却効果を有するヒートシンクなどの新製品開発を着実に進めております。
また、環境負荷軽減のため、木材由来のセルロース繊維を混合した樹脂「グリーンチップ® CMF®」の製品開発を進めております。

環境課題への対応

世界規模で議論されている環境対応について、当社は従前よりエネルギーの効率的な利用や省エネに取り組んできており、CO₂の排出量削減につなげています。また、2021年度に実施した静岡事業所における大型抄紙機の停機もCO₂ 排出量の削減に大きく寄与しました。さらに、戦後直後から山林経営に取り組み、3,031haに及ぶ社有林を保有しております。これらは、CO₂ 吸収、治山治水、生物多様性保全など、SDGs に貢献する取り組みでもあり、引き続き山林の保全を継続することで、今後も、CO₂排出量削減に取り組み、環境負荷の低減を図り、地球環境保全に取り組んでまいります。

人財育成・風土改革への取り組み

さらに、製造現場を中心とした改善活動、業務効率化への取り組みにより、従業員の意欲やスキルがより向上し、それに連動し設備の安定性、操業効率が上がり、生産性が飛躍的に向上しています。これは、全ての従業員が常に創意工夫を凝らして新しいことに挑戦していこうという活動のひとつであり、ここ数年取り組んできた風土改革が着実に成果として現れていると考えております。
引き続き、経営理念の中のビジョンに示した「グローバル視点の提案型ソリューションパートナー」として、「前例にとらわれず、組織の壁を超え、チームと個の力を掛け合わせ、新たな感動を創造する」ことを目指してまいります。

結び

当社はこれまで述べてきた取り組み以外にも、コンプライアンス遵守、安全衛生、人財の多様化などにも継続して取り組んでおり、2023年版社会・環境報告書のなかでこれらの活動内容も紹介しております。
TOMOEGAWAは、全てのステークホルダーの皆様との対話を重視し、説明責任を果たしながら、強固な信頼関係をさらに高めていく所存です。
引き続きTOMOEGAWAおよびグループ企業への、ご指導、ご鞭撻、ご支援を何卒よろしくお願いいたします。

代表取締役社長井上善雄

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