ごあいさつ
株主・投資家の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
当社グループは、急速に変化する経営環境のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するため、第168期(2027年3月期)を初年度とする第9次中期経営計画を策定いたしました。本計画は、第8次中期経営計画で進めてきた事業ポートフォリオ転換及び構造改革に伴う収益基盤の強化を踏まえ、次期成長フェーズである第10次中期経営計画の本格的事業成長に向けた準備段階となる3か年の計画と位置付けております。
第9次中期経営計画の最終年度(第170期・2029年3月期)における数値目標は、売上高400億円、営業利益20億円、ROE5.4%としております。当社グループには、この数値目標を達成するための極めて有望な「武器」が揃いつつあります。それは新製品だけでなく、それらを産み出してきた幅広く、深い「要素技術の蓄積」です。我々の前には成長の機会(新たな成長の扉)が拡がっております。このチャンスを確実に捉え、次のフェーズでより高く、遠くに飛躍するために、この3年間で設備、人財、安全、DX、そしてサイバーセキュリティといった分野への投資を進め、「攻めるための経営基盤」を徹底的に強固なものへと造り替えます。
私たちが目指しているのは、目先の小さな利益の積み上げではなく、次の10年を担保する圧倒的な成長体質への進化です。創業以来培ってきた独自の技術を最大限に活かし、「その手があったか」と思っていただける課題解決を通じて、新たな価値を創造してまいります。
株主・投資家の皆様には、最先端のテック企業へと進化を遂げる巴川コーポレーションの歩みを、ぜひ中長期な視点で見守り、期待していただければ幸いです。
第167期(2026年3月期)の概況
第8次中期経営計画の最終年度である第167期(2026年3月期)は、トナー事業において、前期から続くモノクロトナーの市況が引き続き低調に推移した一方で、機能性シート事業では、機能性不織布関連製品の販売が大きく伸長、電子材料事業においても、車載用光学フィルム製品及び半導体実装用テープの販売が増加しました。さらに、全社を挙げて取り組んできた価格転嫁の効果もあり、連結売上高は35,552百万円となり、前期に比べ1,120百万円、3.3%の増収となりました。
利益面では、開発費用の増加や新製品量産体制構築及びDX推進に伴う積極的な設備投資により、減価償却費や修繕費等が増加しましたが、増収効果に加え、製品構成の改善による粗利率の上昇がこれらを吸収しました。また、人件費の増加や各種原材料の価格上昇に対しても、引き続き価格転嫁を進めた結果、連結営業利益は1,618百万円と前期に比べ335百万円、26.2%の増益となりました。
連結経常利益については、連結営業利益の増益がある中でディスプレイ向けフィルム加工を行う関連会社からの持分法投資利益も加わり、1,853百万円と前期に比べ286百万円、18.3%の増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、製造設備の減損損失や老朽化施設の解体に伴う固定資産除却損を計上したものの、連結経常利益が増加したことから945 百万円と前期に比べ195百万円、26.1%の増益となりました。
なお財務体質については、2025年8月に資本効率の向上及び機動的な資本政策の実施を目的として自己株式を取得いたしましたが、純利益の計上などにより、引き続き当面の目安としている純資産比率40%を維持しております。
第168期(2027年3月期)の見通し
第9次中期経営計画の初年度となる第168期(2027年3月期)については、前期に比べ増収、利益面では一時的に減益となる見通しとしております。
連結売上高の目標は前期に比べ6.9%増の38,000百万円としております。半導体・ディスプレイ関連事業において、光学フィルム新製品の投入を継続するとともに、フレキシブル面状ヒーターについて本格的な売上拡大に向けた準備を引き続き進めてまいります。構造改革の進捗により黒字体質の強化が進む機能性シート事業においても、新たな機能性不織布関連製品の立ち上げを進めてまいります。トナー事業については、前期から取り組んでいる事業運営効率化の効果を着実に積み上げつつ、回復の兆しが見られる市場におけるシェア拡大及びカラートナーの拡販を進めてまいります。
利益面では、積極的な設備投資に伴う減価償却費の増加や、処遇改善及び採用競争力強化に向けた費用負担が増加することに加え、新たに中東地域における地政学的リスクの高まりによる影響も想定され、原材料・エネルギー価格の上昇による一定のコスト増加要因があるものの、価格転嫁の進展や新製品の開発及び立ち上げの加速による収益改善効果も見込み、連結営業利益は前期に比べ38.2%減の1,000百万円としております。
なお、各種調達が止まる事態やそれに伴う影響は織り込んでいないものの、原材料の安定調達及び製品の安定供給に向けて、各取引先との情報交換を強化してまいります。
今後とも、中長期的な企業価値向上に向けた当社の取り組みに対し、なお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長 COO兼CTO
