微粒子製品新規開発トナー
(1)低温定着トナー
一般的にトナーは、熱や圧力により紙に固着(定着)されます。この熱が複写機などの装置の消費電力の大部分を占めます。低い温度で定着することが出来れば使用電力の削減に大きな効果があります。これを実現するのが低エネルギー定着トナーです。
世界的にも、電化製品は電力消費量を抑え、環境負荷が掛からない方向へ進んでいる中で、プリンターや複写機はZESM(Zero Energy Stand by Mode)などの機能搭載が普通になってきました。
TOMOEGAWAでは、こうした低エネルギー化への流れに対応するため、従来トナーとの差別化を図った低エネルギー定着トナーを開発し販売しております。今後、低エネルギー定着へのニーズはさらに増えるものと考えています。
特長 1定着機の設定温度を下げることが可能(定着機が全電力消費量の約80%を占める)
- マシンの消費電力が減少します。
- ウォーミングアップ時間が短縮できます。
- 待機電力の定着セ-ブモードからの立ち上げ時間が短縮可能です。
特長 2定着圧力を下げることが可能
- 定着ローラーの寿命延長、定着ユニットのコストダウンが可能です。
- 紙しわの防止となります。
将来展望
今後、ますます低エネルギー化が必要となっていきます。その要求を満たすためには、トナーとして、新規材料(特に樹脂や低融点材料等)の探索が不可欠となっていますし、また、定着機自身の機械的な工夫も必要となっています。
ただし材料の溶融特性を下げるだけでは、耐久性などトナー品質に様々な影響が出てくるため、当社ではこのバランス取りを施したトナーをお客様に提供させていただいております。
(2)環境にやさしいトナー
トナーが廃棄物となった場合、短時間で自然に還ることはありません。また最近では石油などの化石燃料の多使用による地球温暖化が問題視さています。更にトナー使用時に発生するVOC(揮発性有機化合物:Volatile Organic Compounds)は、人体への影響を考慮すると更なる低減が必要です。これらと考慮し、当社では「人体や環境にやさしいトナー」として、
- カーボンニュートラルの考えに基づいた天然由来の樹脂(非石油系樹脂トナー)を使用したトナーや土壌分解しやすいトナーの開発
- トナー使用時のVOC発生が低く、環境ホルモンの疑いの無い樹脂を使用したトナー
将来展望
地球環境が大きくクローズアップされる中、複写機・プリンターも使用環境、使用者への負担低減が取り組まれております。当社では、より安全性の高い材料の探索を進め、「人体や環境にやさしいトナー」の設計・販売に取り組んでいきます。